正しい魔女のつくりかた (ハリネズミの本箱)

正しい魔女のつくりかた (ハリネズミの本箱)

アンナ・デイル著『正しい魔女のつくりかた』を読みました。
"クリスマス直前、半人前の魔女トゥイギーと知り合ったふつうの少年ジョーは、魔法界をゆるがす大事件に巻きこまれ・・・・・・木の葉の<葉書> <巻き戻し薬> <飛行軟膏>など、さまざまな魔法がちりばめられた楽しい物語。"
私は魔女大好きなので、タイトルを見て即手に取ってみたのですが、面白い話でした。魔女はみんな魔女会に属しているとか、男の魔法使いは地位が低いとか、『メイベルの本』とか、設定が面白いです。特に最後のほうで明らかになる とある設定なんか、初めて聞く感じで新鮮で素敵でした。
そしてトゥイギー(小枝という意味のあだ名)。ホトケノザ魔女会で一人だけ子供のため、使い走りのようなことしかさせてもらえず、ジョーと出会うまで友だちがいなかった女の子なのですが、魔法のことを知りたがるジョーを魔法関連は秘密だからと はねのけるのではなく、同年代の子に会えたのが嬉しいからか、とても嬉しそうに何もかも親切に見せたり説明してあげたりします。最近読んだ男の子と女の子が出会う系の物語では珍しく、メチャクチャいい子でした。
好きな場面は5〜6章あたりの、魔女会を知ってしまったために記憶を消されたジョーとその記憶をもどそうとがんばるトゥイギーのやりとり。文章を読んで、正体不明の女の子につけ回されるジョーの視点に立ったり、その記憶のことを知っているから、記憶をもどそうとがんばるトゥイギーの視点に立ったり、両方の視点で物語りを読めるのは楽しいです。